4月16日(水)
連邦カイシャ・エコノミカは、雇用創出計画(PROGER)のために零細企業や自由業(個人)へ、労働者保護基金(FAT)から十一億レアルの資金を融資すると発表した。希望者はカイシャの様式に従い事業計画書を作成して、融資を申請すること。返済は六カ月据え置き、融資期限は最高四年まで。利子は年利六%から一八%。融資額は一人当たり二万レアルから三万レアル見当、申請額の一〇%は自己負担で、九〇%が融資される。
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ブラジルの金融市場がレアルの続騰とカントリー・リスクの低下で活況を呈しているが、政府は大量の公共債務を抱え、経済成長率は緩慢で経済自体は脆弱であると国際通貨基金(IMF)は反論した。政府は財政政策も通貨政策も完全管理下にあるというが、ブラジル経済が借金依存体質にあることで、二〇〇二年の金融危機再発の可能性はいつでもあると警告した。
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国際開発銀行(IBRD)は政府の経済スタッフの活躍ぶりを高く評価するいっぽうで、社会政策ではブラジルは泥沼だという。ブラジルの平均寿命六十八歳はカリブ諸国の七十一歳を下回り、一人当たり所得三千七十ドルはラテン・アメリカの平均を下回る。義務教育の修了者は、七一%とバングラデッシュ並み。幼児の栄養不良は六%でアルジェリア並み、五歳未満の児童死亡率は千人に三十六人で、内戦で乱れた当時のレバノン並みで世界の最貧国のひとつと酷評した。
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イラク攻撃への国連決議で反対票を投じたチリは、すでに合意に至っていた米国との二国間自由貿易協定の調印式を無期延期とされた。これは米政府の報復行為とみられるが、パロッシ財務相は同様の見解をとったブラジルは、報復の心配はないから勇敢に取引するようにとブラジルの輸出業者を励ました。国連では安保理の投票権を有するチリの方が、ブラジルよりも重要視されているからだという。