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ドル、3・08レアルに下落=昨9月以来の最安値=パロッシ蔵相=「為替介入せず」

4月17日(木)

 【フォーリャ紙、エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】外資流入への期待、中央銀行による為替差損分決済の成功、政府の施策に対する海外投資家の承認により、ドルは十五日、二・六二%低下して、一ドル三・〇八〇レアルで取り引きを終えた。
 〇三年年頭の値から、ドルは一三・一二%下落し、〇二年九月二日以来の最安値をつけた。
 ドル安の要因は(1)二十二日に期限が到来する為替証券差損分、約十一億ドルの半分以上が十一日以前に前倒しされて決済されたこと(2)中銀がドル買い介入をせず、ドル安容認を発言したことを受けて、市中銀行が態度を変え、ドル売りに回ったこと(3)海外で調達されたドルがさらに市場に流入するという期待感(4)サンパウロ証券取引所が、四月一日から十日までの株式市場における海外からの投資額が四億三百七十万レアルに上ったと公表したこと。
 パロッシ大蔵大臣は十五日、ニューヨークで開催された国際関係評議会の朝食会と米伯商業会議所の昼食会で、海外投資家の大きな賞賛を浴びた。ブラジル政府が何らかの為替介入を行うのかとの質問に対し、「固定為替制度は過去に既に採用されたが、ラテンアメリカ諸国を破滅に追い込んだ。ミスをするなら新たなミスを犯したい。過去のミスの繰り返しはブラジルに対して不当だろう」と同大臣は答えた。また、ブラジルの経済政策はGDP当たりの公共債務の減少とインフレ率の低下を目的としており、「為替に対しては目標がなく、為替自身が均衡点を見出すだろう」と説明した。
 ここ数週間続いたドル安のため、海外パックツアーの需要は二〇%も増加した。ドル建てで取り引きを行う輸出業者は為替差損を計算し始めた。農業部門では、大豆生産者はドル下落によって十五億レアル以上の損失が出ることを予測している。