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年金改革州の同意取り付け=定年退職者から徴収=最高裁は違憲判決示唆=来週にも国会に上程

4月18日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】全国州知事会議に臨んだルーラ大統領は十六日、公務員年金からの社会保障負担金徴収で知事二十七人の合意を取り付けたと発表した。その他、三十五年間勤務した場合のみ年金を全額支給する。男性の定年を六十歳に、女性は五十五歳とした。年金上限は、官民同一の二千四百レアル。州知事との合意内容について、すでに連立与党や公務員などから抗議が起きている。

 大統領と州知事二十七人はグランジャ・トルトで開催された全国州知事会議で、定年退職者の八〇%が対象となる千五十八レアル以上の年金超過分に対し定年退職者からも社会保障負担金を一一%徴収することで合意した。国会へ四月三十日までに、上程予定だ。
 勤務が三十五年に満たない場合は、官民ともに年金は勤務期間に比例する。定年申請は男性五十三歳から、女性は四十八歳からできるが、不足分は一年につき五%、最高三五%まで差し引くという内容だ。
 ベルゾイニ総裁は軍人年金を除き年金上限を二千四百レアルとし、議案可決後に採用された公務員へ適用するとした。それ以上は、年金基金に加入を義務制とする。定年退職者の既得権については、発表を時期尚早として無用な摩擦を避けるため言及しなかった。
 遺族年金は、基本年金の七〇%。妻が夫より四十歳以上若く、遺族年金が長期にわたる場合、何らかの措置が講じられる模様。社会保障院は三十年計画により、予算五百六十億レアルで自活できる体制とする予定と総裁は説明した。
 州知事から、社会保障負担金を標準化する要望があった。現在連邦公務員は一律一一%だが、州や市の公務員は各地域により異なる。これを三権に所属する公務員を最高率として、各階級の負担率を設定するように要求した。この制度が設定されると、五万三千レアルという国家経済を食い潰す法外な年金がなくなると考えられている。
 定年退職者からの負担金徴収に最高裁のメーロ長官は、公務員の既得権は連邦令によって保障されたもので、違法性を指摘した。最終的に最高裁は違憲判決を下す意向を示唆した。長官はブラジルの改革がいつも時代に逆行し、最後は法務関係にしわ寄せが来ると批判した。
 また税制改革でも、次の九項目で州知事らの合意を取り付けた。一、流通税の単一化と税率の一本化。二、二年の試験期間とし、生産地と消費地問題は後日検討。三、給与明細に対する使用者負担率の変更。四、社会保険納付金の税率変更。五、遺産相続と贈与の累進税率。六、農地税の五〇%地方自治体交付。七、地域振興の流通税恩典を廃止。八、政府や州、市による貧困者への生活扶助。九、生活必需品への流通税減税。