刑務所へ少年移送＝児童青年憲章を無視　サンパウロ州

4月18日（金）

　【既報関連＝フォーリャ・デ・サンパウロ紙十七日】大サンパウロ市圏フランコ・ダ・ロッシャ市州立未成年者支援財団（Ｆｅｂｅｍ＝日本の少年院と少年刑務所が合体した施設）は十六日、サンパウロ州司法監察局の許可なしに十八歳以上の収容者二百四十人を四カ所の一般の刑務所に移送した。同Ｆｅｂｅｍは、集団脱走や暴動の頻発など多くの問題を抱えており、解決策が叫ばれていた。
　児童青年憲章（ＥＣＡ）では、十八歳未満時の犯行に対する社会教育矯正を二十一歳まで行うことを認めており、これらの少年たちを成年犯罪者が受刑する一般刑務所に入れることは違法となる。パウロ・Ｓ・Ｏ・コスタＦｅｂｅｍ総裁は、「ほかに方法がなかった。批判は承知の上」と違法行為だと認めている。
　十五日、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事（ＰＳＤＢ＝ブラジル社会民主党）は、Ｆｅｂｅｍに収容されている十八歳以上の少年たちに厳しい措置をとるため、児童青年憲章（ＥＣＡ）の改正を訴えていた。コスタ総裁によれば十五日未明、サンパウロ州政府が少年たちの移送を決断したという。
　サンパウロ州刑務所管理局によれば、少年百八人はアヴァレー市第一受刑者再適応センター（ＣＲＰ）へ、六十六人はタウバテー市ＣＲＰへ、四十九人はオルトランジア市拘置所へ、十七人はスザーノ市拘置所へ移送された。移送は十六日午前六時ごろに始まった。
　コスタ総裁は、少年たちは三十日間だけ刑務所に預けられるとし、刑務所内の成人受刑者とは別の監房に入れられる。その間に、同Ｆｅｂｅｍ三十号棟の修復工事が行われる。