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観光船転覆し女性12人死亡=リオ 男性3人が行方不明=大波と強風にあおられる

4月23日(水)

 【時事十九日、アゴーラ紙二十日、二十一日、エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】リオデジャネイロ州カーボ・フリーオ市で十九日、観光客ら六十四人が乗ったトーナ・ガレーラ観光会社の船が転覆し、少なくとも十二人が死亡した。死亡者はすべて女性だった。
 海軍によると、事故当時の海はしけや強風で荒れていた。同日午後零時二十分ごろ、観光地のパパガイオ島近くで、方向転換しようとしていた船の右側から大きな波が打ち寄せ、さらに強風であおられた。乗客はみな船の左側に放り投げられ、船はバランスを崩して転覆した。船は再び浮上し、傾いた状態で浮かんだ。
 救助当局者によると、依然として男性の乗客三人の安否が分かっていない。同州消防局のヴィニッシウス・ミセン大佐は、「もし行方不明者が死亡していれば、一、二日後には海面に浮上するはずだ」と深刻な様子。重傷を負った乗客二人は入院している。
 死亡した観光客のうち六人はサンパウロ州出身、五人はミナス・ジェライス州出身、一人はリオ州ニテロイ市出身だった。
 アゴーラ紙は二十日付の紙面で、「沈没した船はスクーナーでもトロール船でもない、船底が平らなごく一般的な観光船で、事故当日の海の状況には合わない船だった」とコメントしている。
 ミナス州ベロ・オリゾンテ市から来た生存者の男性(五一)は、事故で姪(五つ)と義妹(三八)を失った。孫(三つ)は重傷で入院している乗客の一人。「十五秒の間に惨事が起きた。救命胴衣を着ける間もなかった。反射神経の良かった人だけ助かった。多くの人々は船の下から出られなくなった。自分は目の前にいた孫娘三人を助けることしかできなかった」と悔やむ。
 同じくミナス州から来た十九歳の少女は、「船が転覆した時、船内のベンチが頭に降りかかってきた。わたしも友人(四三)も泳げなかった。船の下で出られなくなり、手前の男の人の足をつかんで脱出した。気が付くと友人は死んでおり、友人の遺体につかまって浮くことができた」と目を赤くして話した。
 この事故が発生してから約八時間後の同日午後八時ごろ、同州南部海岸イーリャ・グランデ湾でトロール船が転覆する事故が起きた。乗員十四人は全員救出された。

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