4月23日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙】三月三十日、連邦警察はアマゾーナス州ソロモンエス川で、コロンビアから来たヘロイン十四・七キロを押収した。密売ルートであるブラジルでヘロイン中毒患者が増えてきており、事態を懸念した国内の精神科医たちは十月、ヘロイン対策のシンポジウムを開く予定でいる。
ヘロインはモルヒネ(ケシの花の未熟な実から得られるアヘンの主成分)からつくる半合成麻酔薬で、鎮痛作用は最も強いが、依存性も強く、連用すると中毒になる。アジアやヨーロッパで多く使用されており、ミャンマーやラオス、アフガニスタン、ベトナム、タイが生産するヘロインを輸入している。
コロンビアとメキシコは一九九〇年代からヘロイン生産を開始した。主な輸出先は米国。コカインと同じく、ブラジル経由のルートで密輸している。
元国家麻薬対策局長官で、ジオヴァンニ・ファウコーネ犯罪科学研究所所長のヴァウテル・マイエロヴィッチ氏は、「最近の米国では夜中ディスコで踊り明かす若者が多く、眠気を追い払うためにエクスタシー麻薬の使用が増えた。リラックス作用のあるヘロインは余り使われなくなった。先進国が必要としなくなった麻薬は、ブラジルのような発展途上国に回される」と、ブラジルでヘロイン中毒患者が増えた理由を説明した。
ロナウド・ラランジェイラ精神科医は、「八〇年代、ブラジルはコカイン密輸のルートだったが、後にコカイン市場と化した。ヘロインでも同じことが起こる可能性が十分ある」と警告している。
サンドラ・エスキヴォレット精神科医は、「最近、ブラジルでヘロイン中毒になったという三人の患者がピニェイロス区(サンパウロ市西部)の自分の診療所に訪れた。外国で中毒になったという患者を診たことはあったが、驚いた」と話している。