まるでTVグローボの人気番組「リンニャ・ジレッタ」を二時間半に引き伸ばしたような映画、というのが話題の『カランジルー』を観終えた最初の感想だ。グループ企業が製作しているから無理もないが。
でも、この映画を通してブラジル版〃塀の中の懲りない面々〃とその生活ぶりを垣間見ることができ、入場料分の価値は十分あった。特に、「ベットの空きがあるか?」と新入りがあちこちの部屋を訪ねてまわったり、食事当番を囚人自身が決めたり、強姦魔(最も忌み嫌われている犯罪)を勝手に絞首刑にしてしまったり、塀の中は相当〃自由〃なコミュニティとして描かれており、日本のそれとの違いを実感できる。
九二年の大虐殺を描く最終場面では、警察の犯罪を告発する勇気ある描写の連続で、正直言って脱帽。実にリアル! これだけでも一見の価値あり。(深)
03/04/23