4月25日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十三日】教育省は二十二日、ブラジルの初等学校(小中学)と中等学校(高校)の生徒の読解力と数学応用力のレベルが非常に低いという『教育クオリティー―生徒の学習到達度調査』の結果を発表した。ブアルケ教育相は発表前に、「深刻な状況にある。政府は改善を急がなくてはならない」と述べた。
この調査は、ブラジル人の教育水準を測る最も重要な試験とされる全国基礎教育評価システム(Saeb)の二〇〇一年度のデータを分析したもの。二年おきに初等学校の四年生と八年生、中等学校の三年生のみを対象に試験を行い、学習到達度を割り出す。
「やや悪い」は、学年の通常水準より低いことを意味する。国語(ポルトガル語)の「悪い」は、読めるけれども理解できないことを意味し、数学の場合はいくつかの計算はできても、学年の学習内容についていけないことを示す。
国語評価では、四年生は「悪い」、「やや悪い」がそれぞれ約三六%でほぼ同率。字もろくに読めない「最悪」(約二二%)を足すと全体の九五%を超える。八年生では「やや悪い」が多く、六四・七六%に達する。
中等三年生では「やや悪い」は半数以上。読むのが下手な「最悪」と「悪い」も足すとほぼ九五%になる。「良い」は五%余だが、「最高」は〇%と事態は深刻だ。
数学評価では、四年生の傾向は国語評価と似ており、「やや悪い」と「悪い」はそれぞれ約四〇%。八年生になると、「悪い」は半数以上に上る。
中等三年生では、「悪い」は六二・六%とさらに増加。「やや悪い」と「最悪」を加えると九四%に達する。国語と同じく、この学年の「最高」評価は〇%だった。
「最悪」評価は、貧しい生徒が多い公立校で多く、両親の経済的事情が生徒の学習レベルに直接影響を与えていることが分かる。地域別では、同じく貧困階層の多い北東部の生徒の成績が悪かった。
教育省付属機関である国立教育調査院(Inep)のエレーネ総裁は、学習到達度が下がった原因として(1)教員のレベルの低下、(2)生徒の学習に対する意欲を高める教育方法がない、(3)両親の支援がない、などを挙げている。
教育省側は対策として、州や市に教員の養成費や教材費を援助し、教員のレベルを上げる計画を実行する予定。また米州開発銀行の援助を得て、中等学校夜間コースに通う生徒を対象にした奨学金制度を設ける計画も立てられている。