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リオの暴力=サンパウロ市を利す=国連会議の招致合戦

4月25日(金)

 【ジアーリオ・デ・サンパウロ紙二十一日】リオ市で十四日に発生した密売人によるホテルへの攻撃や暴力事件の頻発により、ビジネス観光市場として成長しつつあるサンパウロ市が利を得る可能性が高まってきた。
 ホテル・グローリアの正面に撃ち込まれた六発の銃弾が、〇四年六月に開催予定の、経済成長を議題とする国連の会議招致をめぐってサンパウロ市と争っていたリオ市からチャンスを奪うことになりそうだ。同会議には三千人が参加し、ホテルだけで一日五百万ドルの収入が見込まれる。
 観光業界の企業家からなる団体、サンパウロ会議・訪問客招致事務所のゲラー所長によると、暴力事件は観光客を脅かすという。「コーバス知事時代当初、九五年は暴力事件のために様々なイベントをリオやブエノスアイレスに奪われた」と同所長は回想する。
 サンパウロ市が観光客保護警察を創設して以来、暴力事件は減少し、サンパウロ市のビジネス観光は年六%の割合で成長してきた。ラテンアメリカでサンパウロ市はイベントとビジネス観光の中心地であり、〇二年だけで七万三千件のイベントが催され、二十五億レアルの経済効果と八万人の雇用を生み出した。
 サンパウロ市は年平均七百万人の観光客を受け入れ、そのうちの七〇%はイベントへの参加やビジネス目的、六%が入院や治療目的、残り二四%がレジャーや冠婚葬祭を目的とする。国内最大の外食産業、文化イベントに有利な環境、『風光明媚』なサンパウロ州北部海岸がサンパウロ市の魅力だという。