4月25日(金)
【アゴーラ紙、ジアーリオ・デ・サンパウロ紙】リオ州のエコノミストと内分泌学者らの調査によって、ブラジル人口の約半数に相当する八千七百五十万人が太り気味で、うち千七百五十万人(全人口の約一〇%)は理想体重を四十五キロもオーバーした肥満症であることがこのほど、明らかになった。
世界の肥満症ランキングでは、ブラジルはワースト六位。ブラジルの前に来るのは米国、ドイツ、イギリス、イタリア、フランスの五カ国。
肥満症は、外見や自分自身に自信を持つなどの肉体的、精神的な面に悪影響をもたらすだけではなく、特に健康面に害を与えるため、医学の視点では病気とみられる。糖尿病や高血圧、脳溢血、心臓麻痺、高コレステロール、結石などの病気を併発させる。
肥満症治療に使われる薬品代や診療費、入院費、肥満症が原因で併発した病気の治療費を足すと、毎年十五億レアルに及ぶ。もちろん治療中の欠勤や治療休暇、肥満症が原因の早世などによる損失額も含まれる。ほとんどの肥満症は規則正しい食生活や適度な運動で十分回避できるため、政府にとっては浪費である。
特に低所得層の人々は、脂肪分が多く、栄養バランスの悪い安値の食料品を摂取するため、肥満が増えてきている。対して中上流階層の人々は身体に対する意識が高く、食生活にも気を付ける傾向があると、内分泌科医は説明している。
一九七〇年には子供や青年の四%が肥満症にかかっていたが、現在では一四%にまで増えている。食生活の改善で成功する人は肥満患者の一〇%のみ。改善してもダイエットに失敗する方が圧倒的に多く、失敗がさらに自己への不満を高めて、暴飲暴食に走らせるケースも。
社会生活では、不規則な労働生活や解雇、就職難などの問題を抱える肥満患者も少なくない。また恋愛面で「誰からも愛されない」と悩む人も多く、肥満症の人々に対する偏見も問題化している。