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アマゾン群馬の森に=自然環境教育センター開設=三年越しの大型計画

4月25日(金)

 群馬県は、パラー州ベレン近郊の「アマゾン群馬の森」を活用して今秋をめどに、国際協力事業団(JICA)や同州政府とともに「アマゾン日伯友好ふれあいの森・自然環境教育センター」(仮称)を開設することになった。日伯両国の専門家が協議を重ねたすえ発表されたもので、両国の子どもの環境教育や熱帯雨林の保全、森林農業の振興などに役立てる方針だ。

 昨年来、群馬県は県庁職員などの専門家を群馬の森に派遣し、州政府や環境関連政府機関(東部アマゾン・センターなど)、JICAと協議を重ねてきた。同事業団べレン支所長の芳賀克彦さんは「まだ具体案を協議中の段階です」としながらも、「今年中に構想をまとめ、三年越しで推進するような大型プロジェクトになるでしょう」と説明する。
 すでに、研究者に研究施設を提供したり、原生林内に遊歩道を設けて子どもたちがアマゾン生態系を観察できるようにするなどのアイデアが出されている。
 「在北伯群馬県人会という日系団体が管理する群馬の森を舞台に、みんなで地域社会に貢献するという形で、国際協力する方法をさぐる素晴らしい計画です」と芳賀さんはその意義を強調する。
 二十二日付上毛新聞は、「自然環境教育センターは現地に建てられているビジターセンター内に開設し、将来的には県内の児童生徒の派遣も検討する」と県側の前向きな姿勢を報道している。
 同紙によれば、群馬県特別政策本部が二十一日、本年度の重点政策テーマの一つとして、今回の計画を策定した。すでに民間の有識者、県公募職員を含むプロジェクトチームを同本部内に設置しており、計画では、環境面の活動に取り組んでいる全国の民間団体、研究機関とも連携し、新センターの有効利用を図る予定。
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 「アマゾン群馬の森」誕生は、九二年九月に在北伯群馬県人会(岡島博会長)が、群馬県知事にアマゾン熱帯雨林保全支援の陳情書を提出するところに端を発する。九六年二月に、同県の「アマゾンに群馬の森を作る会」の募金運動などもあり、同年八月に原生林を取得し、九八年八月には、ビジターセンターが建設された。総面積五百四十ヘクタールに上り、地球規模の環境政策を推進する拠点として広く注目を集めている。