4月26日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十五日】連邦警察と検察庁が昨年末から、サンパウロ州の連警と市警を汚職容疑で捜査している。少なくとも三十人が海外への違法送金、不法な形で資産をつくる、密輸組織を手助けしたなどの疑いで捜査対象になっている。
連警は三月十日、闇相場のドル為替を行う闇屋アントニオ・オリヴェイラ・クララムント容疑者(通称トニーニョ・バルセローナ)を逮捕するため、サンパウロ市内の四カ所の住所に同時突入した。バルセローナ観光会社を経営するトニーニョは、同店の奥から脱出に成功。同店から小切手や証明書類、証券などが発見され、汚職の疑いのある警官の名前が浮上、リストがつくられた。
検察庁が行った千時間もの電話の盗聴で、市警官が八千ドル(二万四千レアル相当)の違法送金を交渉していたことも分かっている。この金額は同警官の一年分の給料に相当する。またパトカーが、密輸用トラックの護衛に使われたことも明らかになっている。
連警と検察庁の市警に対する捜査では、特にDenarc(麻薬捜査課)とDeic(組織犯罪捜査課)の警官らに集中していると、フォーリャ紙はみている。先週、連警とDenarcの共同捜査によって、市警官二人が逮捕された。ここ二週間、サンパウロ州の市警や連警の警察署内は、汚職捜査の話題で持ちきりだという。
サウロ・デ・カストロ・アブレウ・フィーリョサンパウロ州保安局長官は、連邦警察の捜査に協力していると認めたが、「現在まだ捜査過程にある事件に関して一切コメントしない」との姿勢を見せた。「警察から犯罪を一掃するのに恐れはない。すでに警官七百人が実際に拘束されている。今年だけでも七百人を免職した」と強気だ。
〇一年にサンパウロ州検察局が捜査していた〃葬儀マフィア〃事件で、初めて現在逃走中のトニーニョの名が浮上。一九九三年から九九年の間にサンパウロ市立墓地の花卉関係の賄賂を洗浄していた疑いがある。当局によると、トニーニョは賄賂を振り込むための口座を開き、口座から現金を引き出してドルに換えていたという。