カワサキ・アエロナウチカ・ド・ブラジル(KAB・小牧庸夫社長)のエンブラエル195型機主翼最終組立工場の開所式が、二十四日午前十一時半から、サンパウロ州ガヴィオン・ペイショット市の同工場で行われた。式にはジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事や川崎重工株式会社の田崎雅元社長、赤阪清隆サンパウロ総領事を初めとする関係者約三百人が出席した。新設された製造工場は約六千平方メートルの敷地面積を誇り、近日中にも製造が開始される。
サンパウロ市から北西へ三百キロ、アララクアーラ市近郊にガヴィオン・ペイショット市はある。その新工場で行われた開所式では、日ポ両国の国家斉唱に続き、五分ほどのビデオ上映が行われた。
KABの小牧社長はあいさつの中で同社が昨年四月に設立されてからの一年を振り返り、ブラジルを「我々日本人を受け入れてくれた『たくましくかつうるわしい』土地」と位置付け、「日系人の方々のあらゆる場面での協力がなければ、今日の日を迎えることはできなかった」と話した。
田崎雅元川崎重工社長は「エンブラエル社との関係ができたことを嬉しく思う」とあいさつした。「共に事業の確立を図りたい」と両社の発展を願いつつ、「もし、日系社会がなければ、これほど迅速に事は運ばなかった」と話した。
マウリシオ・ボテーリョ=エンブラエル社長、グレゴリオ・グージャ・同市長のあいさつに続き、アウキミン州知事の「今日はエンブラエル社と川崎の結婚式。二社が高く空に羽ばたくことを祈りたい」とのあいさつには来場者から拍手が起こった。
関係者によるテープカットの後、エンブラエル170型機のテスト飛行、日本酒の樽の鏡割りが行われた。
川崎重工は現在までに同工場に二千万レアルをすでに投資しており、〇四年には一千万レアルを追加する予定。間接・直接合わせて約百人の雇用も生まれた。
同工場では170/190ライン四機種のエンジン付主翼を生産するが、当面は195型機主翼を月産二組、エンブラエルのサンジョゼ・ドス・カンポス工場へ供給する。