4月26日(土)
【既報関連】昨年まで二十四年間続いてきた日本からの農業実習生派遣事業が今年、一時休止に追い込まれた件で、現執行部の引責問題にまで発展していた福岡県人会は二十四日、渡辺一誠会長ら理事四人が来社し、事業の休止に至った経緯などを説明。治安面の不安、実習希望者の先細りなどから、「事業見直し」の意向を匂わせる言動は、あくまで県側からあった旨を強調した。
「治安に不安のある国への派遣は親の承諾がもらえないなど阻害要因が多くある」
福岡県農政部は昨年八月、県人会の宗友夫副会長に対し、そのような内容を含む文書を送付。さらに、事業はいま、方向の「見直し」が迫られている、などと言及している。
これを受けた県人会では、治安事情を隠さず報告する義務があると考えた。実習生をこれまで受け入れてきた県人宅が、昨年から今年にかけてピストル強盗に襲われた事実を認めたうえで、「治安面に関してはいままでと違い絶対の保障は出来ない」と返事に書いている。
結果、帰ってきたのが「社会状況の好転を期待しつつ、実習生の安全確保を最優先することとし、事業の休止を決定しました」という回答だった。
しかし、福岡県人会は今年三月の総会の席で、「事業は親善交流の大事な掛け橋。実習生の方の安全はわれわれ県人会員で守ろう」と決議。農政部担当者ではなく、直接県知事宛てに、来年からの事業再開を要請する手紙を送っている。
また、県人会の顧問・相談役から、「(休止が決定される前に)何の相談もなかった」と強く非難されている件には、「県の担当者に送った文書は理事会の承認を得たもの。ただ、礼を欠いたと思った。すでにお詫びを入れている」と明かした。
執行部の信任を問おうと、県人会内に臨時総会の開催に向けた動きが見られることについては、「来月始めの役員総会で話し合いたい」と、反体制派に理解を求める姿勢を示した。