4月29日(火)
【アゴーラ紙二十八日】サンパウロ州警察によって殺害された強盗や誘拐犯などの犯罪容疑者を含む一般市民の数が増えている。今年第一・四半期の市民殺害件数は、前年同期比二一%増で二百六十三人を記録。月に八十七・七人と過去五年間最高とされる。
サンパウロ州警察(市警・軍警)の資料によると、昨年は八百二十五人(月に六十八・八人)が死亡した。アウキミン副知事が故コーヴァス知事に代わって知事職に就いた二〇〇一年は六百六十九人が死亡。コーヴァス政権時の〇〇年、九九年はそれぞれ三百六十四件、四百九件とアウキミン政権時よりは少なかった。
今年殺された市民のうち、二百五十人は軍警官に殺されており、市警官によるのは残り十三人。過去の記録を見ても軍警官による市民殺害が圧倒的に多い。
フェッキオサンパウロ州警察特別治安判事は、「警察の作戦で抵抗した市民を射殺することが習慣化しており、市民殺害事件に対する捜査や裁判も透明度の低いものであることが増加の原因だ」と指摘している。
警察側は市民を殺害した後、報告書に〃抵抗後死亡〃という死因を記入するが、このような死因は法律用語の中にはなく、多くの裁判がこの言葉自体が問題となり判決されずに裁判延期となってしまう。「我々が調べた範囲では、この種の事件の多くで、市民の抵抗の様子がうやむやになっていた」、と同判事は語る。
一方軍警側は、「犯罪が増加しているため、市民殺害も比例して増える」と弁明。ちなみに殉職警官数は〇一年に月に十二・四人だったが、今年は月に十・五人と減っている。