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居住地での医療を訴え=広島、在外被爆者への支援集会

4月29日(火)

 【中国新聞】韓国、米国、ブラジルの被爆者団体幹部ら六人がこのほど、広島市中区であった支援集会に出席し、それぞれの居住地で被爆者援護法に基づく諸手続きや医療給付が実現するよう訴えた。
 在ブラジル被爆者裁判を支援する会(代表・田村和之広島大教授)が主催し、約四十人が参加した。
 在ブラジル原爆被爆者協会の森田隆会長(七九)は「高齢化した被爆者の帰国は困難」と南米の実態を報告。米国原爆被爆者協会の友沢光男会長(七三)も「日本政府がもう一歩踏み出した援護をしないため、米国内でも来日できる人とそうでない人に不平等が生じている」と指摘した。
 韓国原爆被害者協会の崔日出元会長(七〇)も、被爆者健康手帳の取得も含め、韓国内での諸手続きの実現を強く訴えた。
 これに先立ち幹部らは、広島県庁や広島市役所を訪れ、広島・長崎四県市の事業として現地への医療給付などを実現するよう求める要望書を提出。県の三浦公嗣福祉保健部長は「国の支援策には工夫の余地があり、国への要望を続けたい」と述べた。昨年から現地での医療費補助を国に提案している市の守田貞夫社会局長は「各国の事情が違い実現は難しいが、できることから取り組みたい」と答えた。