4月30日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】パウエル米国務長官は二十八日、ブラジル総選挙でルーラ氏の大統領当選は、有権者が各自の生活水準を高めるために民主主義的な手段をとった重要な例であると述べ、「民主的な手続きを踏襲しつつ改革が成功することは西半球にとって重要であり、世界中の見本となるだろう」と付け加えた。
パウエル長官は、イラク戦争によって米国とラ米諸国との間に〃意見の相違〃があったことを認めており、「西半球諸国が協力し合い、再び国連に参加する時が再び来た」と呼びかけた。
ラ米諸国に対しては、国民の生活のクオリティーを改善する必要があると指摘。改善策に失敗すれば、民主主義の維持が困難になる可能性があると警告した。「数十年前にラ米諸国は軍政など独裁政治を排除させ、民主主義改革を行った。我々は民主主義で全国民の生活が良くなると約束し、自由貿易圏もうまくいくと言った。我々がこれらの公約を守らなければ、民主主義も自由貿易圏も意味がなくなり、政治・経済面での退化がみられる恐れがある」。
国務省で西半球を担当するライヒ国務次官補は、「米国は西半球諸国を破壊する意図などない。イラクに武力行使を加えざるを得なかったような状況はないからだ」と言明した。
同氏はまた、ベネズエラのチャベス大統領と野党側で四月十一日に話が始まった同大統領に対する国民投票の交渉に対し、「民主主義の野党は交渉の規則を守っている。チャベス氏も自分自身がつくった規則を守るべきだ」と批判した。
パウエル長官はさらに同日、「人権を無視したキューバ政権は西半球の汚点である」という過激な発言をした。