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政府 中銀の独立性検討=理事の任期を固定=金利、インフレ率設定は自由

4月30日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】政府の経済スタッフは、中央銀行の独立権限について前政権から引き継いだ為替市場操作と通貨責任法の内容を検討することになった。これまでの中銀権限よりも大幅に独立性を付与するものだが、米連邦準備制度理事会(FRA)やEUのそれより制限されるようだ。
 スタッフが検討するのは、(一)通貨審議会(COPOM)メンバーを固定任期にするか、(二)目標インフレ率は政府が決定するか、(三)基本金利(SELIC)はCOPOMが自由に設定するか、(四)COPOMメンバーは、どんな場合免職されるか、(五)最大焦点の中銀は、独自に資金調達を許されるかなど。
 米、英、EU、ニュージランド四カ国の中央銀行の場合は、(一)中銀が自由にインフレ率を設定できるのは米、EU、英国で、ニュージランドはできない、(二)基本金利を中銀が自由に設定できるのは米、英、EU、ニュージランド全て、(三)中銀理事の固定任期は、全ての国で設定される、(四)中銀総裁は目的を達成しない場合免職されるのは、ニュージランドのみで米、英、EUは免職されない。
 欧米の中銀が通貨の発行権も持っていることで与党左派と連立与党は、これ以上の独立権限を暫時付与して行き、歯止めが利かなくなることを恐れ反対する。
 下院で二日、可決された金融規定に関する連邦令百九十二条の単一令をケース・バイ・ケースで複数令とすることを認めた補足案は中銀独立の第一の布石であった。中銀の独立を勝ち取るには、まだいくつもの関所があるようだ。
 先ずCOPOMのメンバーの任期で、更迭条件を設定する意見や大統領の任期と合致しない段階的任期を付与する案もある。次に中銀の必要資金は、国庫の予算割り当てから交付されるべきかだ。中銀の独自調達によって国庫から解放されることには、大統領が疑問を抱いているようだ。
 中銀総裁が目標インフレ率を未達成の場合、ニュージランドでは理由のいかんを問わず免職される。この厳しい法律を、ブラジルにも適用するかは疑問だ。また目標インフレ率を達成したが、経済混乱を引き起こしたら誰の責任かの疑問もある。COPOMのメンバーは中銀理事も兼任し、出身銀行の役職を休職しているのも問題とされる。