4月30日(水)
「出場するつもりで来た」
フットサル王国ブラジルでの活躍を誓うのは藤田安澄さん(二四、神奈川県出身)。今月末から州立ロンドリーナ大学のチームに合流、一年間の契約でプレーする予定だ。
ブラジルでの生活費は自己負担になるが、「結果を出して来年もいたい」。ポジションはサイド。レギュラー獲得を本気で目指す。
筑波大学時代は女子サッカー部でインカレに出場するなど実績を積んだ。卒業後フットサルに転向し教職の傍ら、有志のクラブチームで技を磨き始めた。
転機は昨年、訪れた。在籍するクラブチーム、パラレッツ(東京)が日本の全国大会で優勝。パラナ州マリンガ市で開かれた第一回日本航空杯(COPA JAL)の出場権を得る。ブラジル国内のトップ七チームとの総当たり戦―。結果は一勝六敗で手も足も出なかった。本場の底力を痛感した。
そんな藤田さんのところに思いがけないオファーが届く。現チームの監督からだった。「彼女ならうちでやれる」。セレソンのコーチでもある監督の鶴の一声で入団が決まった。
アテナ五輪での正式種目入りもささやかれるフットサル。王国ブラジルは特にロビー活動に熱心なようだ。「サッカーは欧州にも強豪が存在するがフットサルはブラジルが抜き出ている」。藤田さんの世話役、田港アルベウトさんはそうみる。
事実、いまの日本男子代表チームのメンバー八人までがブラジルで一度はプレーしたか、留学経験のある選手で占められる。女子選手では「半年前に同じパラレッツの選手がサンパウロのチームに在籍した」。藤田さんは二人目となる。
五月終わりにはブラジル選手権が控える。ロンドリーナ・チームはパラナ州一の実力を誇るが、「早く慣れて出場機会を得たい」。