このところ庶民の味方と称される消費者保護センター(Procon)の存在が重みを増している。食品、衛生、薬品はじめ消費万般にわたって目を光らす。消費者にとっては文字通り〃頼みの綱〃の機関である。先だっては、期限切れや価格表示なしで販売していた売り手を摘発し、スーパー、薬局、パン屋などの店名、所在地までも公表した。名の知れた店などがいくつも槍玉に挙がり灸を据えられた。さらには消費者の足が遠のいていく。自業自得といえるだろう▼私どもが食品を購入するとき、とくに気になるのは賞味期限だ。外国産、つまり輸入物の場合は丹念に調べたりする。輸入品には必ずポ語で記入表示する規定があるため説明書が貼ってある。これが所構わずとは言わぬまでも適当に貼られているときがあり、がっかりせられたこと一度や二度ではない▼こちらは日本語で印刷されたオリジナルの部分を読みたい。たとえば使用添加物の細かい内容を知りたいのにその上にべったり張り付けられたのでは、お手あげである。これなど売る側の配慮不足と断じていい。それでも満足して買っていく客もいるのだからつべこべ言いなさるな…と申すなら話は別だ▼品物が潤沢でないころは「売ってやる」式の店もあったが今は品数もだぶつき時代も変った。終始、消費者の動きに目を配らないと売上げに響いていくだろう。近ごろは消費者の目は肥えてきたし、総じて財布の紐もかたい。(田)
03/04/30