5月1日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】ルーラ大統領は二十九日、年金改革最終原案の国会上程に先立ち「もし改革に敗れるならPT全員の敗北であり、左翼政権は向こう五十年、日の目を見ることはない」と全党員の結束を要求した。
政府は最終的合意を図るため国家公務員の階級別年金上限を最高裁長官の給料に合わせ、基本給一万二千七百二十レアル、諸手当を含め合計で一万七千百七十レアルに引き上げることで譲歩し、可決へ向けた取引を行った。
最高裁のメーロ長官は、年金に上限枠をはめたことで司法権のじゅうりんと非難した。上限枠は保証されるものではなく縮小される可能性があり、ブラジルの法曹界が過小評価されることを、長官は懸念するとした。
政府は知事や市長らの要請により、地方自治体で最高裁長官よりも高給を取る職員の年金についても、同額の上限を年金改革案に盛り込んだ。
また軍人の遺族年金は、生存時の七〇%に低減され、子女の終身年金は廃止される。軍人以外の年金受給者も、本人死亡後は遺族の年金が三〇%削減される。
その他注目されるのは、公務員の定年年齢を七年引き上げたこと。一般公務員の年金上限は二千四百レアル。年金が千五十八レアルを超過する場合、超過分に対し一一%の社会保障負担金を徴収。民間企業から公務員へ転職した場合の年金なども、盛り込んでいる。