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東西南北

5月1日(木)

 サンパウロ州内の刑務所・拘置所の所長らが、犯罪組織PCC(首都第一コマンド)に脅迫されている。PCCは、刑務所内にいるPCCのメンバーが寝る場所もないほど満員の監房に放り込まれていることを不満に思っているという。刑務所の理想的な収容者数は平均六百人。定員オーバー状態は約九百五十人まで。それ以上は完全なパンク状態とされる。最もひどい状況にあるのはベレン第二拘置所で、千三百六十五人に上る。ちなみに州内の拘置者数は現在一万八千九百二十六人。
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 ミナス州アラシャー市の国道で二十七日、バスがカーブを曲がりきれずに四メートルの崖下へ落下する事故があり、六人が死亡、二十七人が負傷した。同日夜には、同州ベロ・オリゾンテ市で、わずか生後十カ月の新生児がトラックにひかれて死亡。運転手はリンチされそうになったが、警察に現行犯逮捕されて助かっている。
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 道路標識三十七枚と歩行者の車線への侵入を防ぐコンクリート壁九百六十枚が一月以降、サンパウロ州環状道路から盗まれた。窃盗は都市化した地域で多く、盗品はファヴェーラの小屋作りに使われる。道路開発公社はアルミ製標識をプラスチック製などに変更することを検討しているが、コンクリート壁の変更は困難だという。
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 四月二十九日からブラジル上空に停滞中の乾いた暖気団が、寒冷前線の訪れを妨げている。雨も降らず、風も吹かない状態なので、公害がたまるいっぽう。特にサンパウロ市での被害がひどい。気象専門家によると、四月の雨量は四十五・六ミリのみで、例年の平均値七十五・八ミリを大幅に下回った。