5月3日(土)
日本経団連が主宰する経団連自然保護基金と経団連自然保護協議会が、創立十周年を迎えた。
本紙に送られてきた機関誌二五号(二〇〇三年三月発行)に「自然保護の分野は、欧米では比較的前から重視されていたが、日本では気候、風土に恵まれていることもあり、公害や省エネルギー等の経験とノウハウが蓄積されている分野と比べると、比較的なじみの薄い分野であった。しかし、経団連はリオの地球サミットを機に自然保護の重要性を認識し、この新しい分野に一歩を踏み出すことになった」と書かれているように、一九九二年六月、リオデジャネイロで開催された地球サミット(国連環境開発会議)が同基金創立の大きな誘因となった。
経団連自然保護基金の助成対象となるのはNGO、NPOと呼ばれる民間の非営利団体で、自然保護活動に実績があることが条件となっている。積水化学工業(株)の大久保尚武社長が二〇〇〇年七月に日本経団連自然保護協議会の会長に選出されて、現在に至っている。日本経団連は今年一月に新しいビジョン「活力と魅力溢れる日本をめざして」を発表し、その中で個人、企業、行政がともに「環境立国」戦略を進めることを提唱している。
機関誌によると、過去十年間の助成案件は二百十五五件となっているが、その中で中南米地域での案件はコスタリカ、エクアドル、コロンビア、ブラジル四カ国八件とまだ少ないため、今後の伸びに期待が寄せれている。日系組織関連ではコロンビア日系人協会とオイスカ・ブラジル総局である。
経団連自然保護基金が設立される直前の一九九二年九月に「環境シンポジウム」が経団連とオイスカ共催で東京で開催された。