5月6日(火)
社団法人松柏・大志万(マドエニオ・シルバ・川村真由実代表)は、五月十日午後三時から午後五時に、三重県人会会館で、日本語研究者ハルペン・ジャックさんの講演会を催す。演題は、「不思議な不思議な漢字の世界」。入場は無料。十四年前にも、漢字について文化協会で講演を行った。その際には、定員百人の会場に二百人が詰め掛けるほど盛況だったと言う。
ハルペンさんは、一九四六年に西ドイツで生まれたユダヤ人。世界六ヵ国で生活し、十二ヵ国語を習得、語学の天才と呼ばれる。ブラジルとの関係も深い、七歳から九歳までサンパウロ市に在住し、そこで母親を亡くす。今回は、墓参りの来伯でもある。
漢字と出会ったのは、意外にもイスラエルのキブツ。二十歳ごろに、キブツで出会った日本人が「木」を地面に書いた。そして、「木」を二つ並べて「林」、三つ並べて「森」だと説明し、これが漢字だと教えられた。漢字の持つ合理的で不思議な魅力に、とりつかれた瞬間だった。
その後、日本に渡り十六年かけて「新漢英字典」(研究社)を出版するまでになる。本字典の最大の特色は、漢字の熟語を構成する造語成分としての意味・機能を理解させることであり、丸暗記によらず、体型的に学習できる工夫を凝らした点にある。
ハルペンさんは、研究者であると共に日本で一輪車の第一人者というユニークな肩書きも持つ。当日は、日本語とポルトガル語を交えた講演になる。従来の「難しい」と言う漢字のイメージを、「面白い」に変えてくれる講演になるだろう。問い合わせは、(電話3209・6211)エリアナさんまで。