5月7日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】中央銀行は五日、ブラジル銀行フォス・ド・イグアス支店を告発する報告書を発表した。一九九六年、同支店を通じて資金洗浄後、不正送金をして最終受取人をかくまったとするもの。
容疑者グループは、政府が売り出した国債の取引で額面割引を受けたとする一億四千七百万レアルのうち、大部分の九千六百八十万レアルを海外へ不正送金した。グループは四人からなり、三カ月の間に十三億レアルの銀行取引を行った。パラグアイ人のカルメン容疑者は一人で百五十一枚の小切手を発行して、総額一億三千百六十万レアルを引き出した。
中銀は同グループが、ブラジル銀行と他の金融機関との間で頻繁に資金を回して、資金の終着地を隠ぺいしたとみている。疑惑は同容疑者名義の小切手が多数、同金額でフォス・ド・イグアスとシウダ・デル・エステ市の間を往来したことで浮上した。ブラジル銀行は、この事実を中銀に報告しなかったと指摘した。
さらに同行の行員が、故意に正当行為として経理処理をした形跡があるという。中銀は支店長をはじめ関係者を、銀行法違反で刑事告発する。中銀は四人の違法取引が全国的に行われているとみて、ブリンデイロ検事総長と全国の州検察局へも報告書を提出した。四人はラランジャ(名義賃貸人)となって取引した。中銀は不正資金を国債の取引で洗浄して、海外へ送金するシステムの実態を解明する。