5月7日(水)
【エポカ誌】リオデジャネイロ州のロジーニャ・マテウス知事が就任して百日、夫君のガロチーニョ前知事と共に政治生命に試練の時が訪れた。同州公務員は、まだ昨年の十三カ月目給与も受け取っていない。元財務次官の不正行為が発覚、麻薬組織の暴力行為は日ごとに悪化している。
連邦政府は検察庁指揮のもとに連邦警察と州保安局の合同作戦でエスピリト・サント州の組織犯罪をひとまず収拾したことで、リオ州にも同じ方式を取り入れ、騒動鎮圧を考えている。
一方ガロチーニョ新保安長官は、リオ州の治安問題を次期大統領選へのばねと考えているようだ。前回大統領選で三位に食い込んだのが、大きな自信になったらしい。同長官にはピンチはチャンスと映り、イチかバチかの大ばくちを打つつもり。失敗した場合はガロチーニョ長官の政治生命ばかりでなく、ロジーニャ州政の転覆にもなりかねない。
消息筋は知事が保安長官に夫を指名したのは、知事を辞任したのに等しいという。ダッタフォーリャの調査でもロジーニャ州政を評価したのは二二%に過ぎず、不満表明は三六%に及んだ。ガロチーニョ長官は、先ずバストス法相を訪ね連邦政府の組織犯罪対策の一本化を了承、政府交付金を取り付けた。治安当局の一本化は、ガロチーニョ長官が州知事時代に更迭したルイス・E・ソアーレス元長官の発案になるもので、州の治安活動に連邦政府が細部まで介入することになる。
ロジーニャ知事は、州政が評価されず不満やるかたないが連邦政府から交付金を導入するために苦汁の選択をした。昨年の三倍に当たる四千万レアルを治安のために獲得した。連邦政府の治安当局一本化案を拒否するなら、州財政の資金難ばかりでなく州民から批判の嵐を浴びることが予想される。
ガロチーニョ長官は、リオ州治安対策のために連邦警察のイタジーバ総監を招へいし、リオ市中で活動する麻薬組織の命令系統の解明を要請した。ガロチーニョ長官の友人らは治安問題を連警に一任して、政治活動に専念したほうが無難ではないかと忠告している。
犯罪学者の言葉を借りるなら、犯罪組織は幹部が拘束され、組織の指揮系統が乱れたために自暴自棄となっているのだという。組織の要求は幹部らの待遇改善というが、真の狙いは政府機関の混乱だとみている。