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ガロチーニョ保安長官 リオの苦戦認める=単独鎮圧は不可能=連邦介入で知事夫妻苦悩=「陸軍待機」と武官長

5月9日(金)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙八日】リオデジャネイロ州のガロチーニョ保安長官は七日、同州の治安が混乱状態にあることを認め、その事実を否定することはできないと告白した。ブラジリア滞在中のロジーニャ知事は、事態は深刻であるが混乱状態ではないと夫の声明を否定した。ホテルや大学、観光名所など多くの人が集まる場所を不意打ちするなど、犯罪組織が戦術を変更したので苦戦していると、同長官は認めた。

 ガロチーニョ保安長官は、ラジオCBNの取材にこたえて治安回復は一、二カ月では困難と述べた。市民全員の理解と協力を要請するしかないと慨嘆している。リオ市幹線道路のブラジル通りを二時間にわたり閉鎖した犯罪組織を鎮圧するため、長官は六日深夜まで保安局に詰め指揮を執った。
 長官は七日夜になって前言を翻し、目標としては今年末までに治安問題を解決したいと発表した。同日昼のラジオCBNの声明を訂正しながら、治安当事者として不安は隠せなかったと述懐した。昨年九月のバングー刑務所の暴動以来、犯罪組織の戦術が市民が多く集まる場所への奇襲作戦へと変化しているこの事実を伝えることが声明の真意だと述べた。
 ホテルや大学、観光名所など人が集まる所を狙ったテロとも見られる撹乱行為への対応は、リオばかりでなくブラジルの軍警もまだ訓練を受けていないと長官は指摘した。
 ブラジル通りとアマレーラ西北線を封鎖したのは、犯罪組織ではなく軍警であった。市民の犠牲を回避するためこの措置は正解であったと、長官は述べた。六日の銃撃戦は、犯罪グループが石油を運んでいるのを軍警が阻止したことから始まった。バスの焼き打ち準備と、軍警がにらんだからだ。
 リオ州公安院(ISP)は、四半期ごとに各警察署の活動状況を調査発表している。成績がよくない署は、署長と責任者らを訓戒処分した後更迭される。
 さらに来週は、各署から優秀な軍警三十人を選考して戦略要員(GAT)のメンバーに編入する。その後、弾丸よけや奇襲作戦の特殊訓練を施し特殊部隊(BOPE)としてリオ市の治安作戦に参加させる計画を長官は発表した。
 一方フェリックス大統領府武官長は、リオ州の要請があれば陸軍リオ師団を同州へ派遣する用意があることを明らかにした。これは同武官長とヴィエガス国防相、ジルセウ官房長官、バストス法相の間で行われた治安会議の席上で決定されたもの。
 これまでリオ州政府の公式回答は、まだない。リオ地裁のパシャ裁判長は七日、「リオ市民はこれ以上我慢できない。州は独力で犯罪組織を鎮圧する能力はないので、連邦政府の支援を仰がねばならない」と覚書を発表した。