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死者も出るグリッペ=レスフリアードはただの風邪

5月9日(金)

 【アゴーラ紙】もうすぐ冬が来る。冬期は風邪をひきやすい時期。ブラジルに住む人なら、「グリッペ」と「レスフリアード」という風邪を意味する二つの言葉を聞いたことがあるだろう。一体どう違うのだろうか。
 アゴーラ紙は、グリッペを「インフルエンザウイルスによって引き起こされる病気」だとしている。いわゆるインフルエンザ(流行性感冒=流感)のことである。その名の通り突如、強烈に流行するのが特徴の一つ。インフルエンザウイルスはブラジル南部と南東部という広い地域で、五月から九月の間にはやる。
 感染した患者は急に三十八度以上の高熱を出す。倦怠感、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身に症状が強く表れる。あわせてせき、のどの痛み、鼻汁などの症状も見られる。下痢や嘔吐の症状が出る人も。気管支炎や肺炎(ときには中耳炎、糖尿病なども)を併発しやすく、重症になると脳炎や心不全を起こすこともあり、体力のない高齢者や乳幼児などは死亡することもある感染症。
 激しい症状は通常四日から七日間ほど続く。ブラジルでは一九九九年から、六十歳以上の人々にインフルエンザの予防接種を受けるようキャンペーンを実施中。私立病院での予防接種の値段は三十五~四十レアル。
 一方レスフリアードは、一般的に風邪と呼ばれる普通感冒のこと。ライノウイルスやコロナウイルス等の感染によって起こる。のどが痛む、鼻がむずむずする、水のような鼻汁が出る、くしゃみやせきが出るなどが主な症状で、全身症状はあまり見られない。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはめったにない。
 グリッペには百二十~二百レアルで販売されている抗ウイルス薬剤があり、症状を和らげるのに効果がある。サンパウロ連邦大学医学部のシウヴァ教授は、「熱いお茶など体を温めるものは炎症(筋肉・関節痛など)に効くので、風邪を治してはくれないが、症状を和らげてくれる」と勧めている。