5月9日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙】ミナス・ジェライス州原産の黄サソリ(エスコルピオン・アマレーロ、学名=Tityus・serrulatus)が、サンパウロ州で増えている。パライーバ渓谷にあるアパレシーダ、タウバテー、サンジョゼ・ドス・カンポスの各都市で特に繁殖している。ゴイアス、パラナ、リオデジャネイロ、エスピリト・サントの各州でも少数、発見されている。
ブタンタン研究所によれば、サンパウロ州で普通に見られる黒サソリは黄サソリに縄張りから追いやられている。黄サソリは黒サソリより毒が強く、神経を犯す。サンパウロ市ブタンタン区にあるヴィタル・ブラジル病院によれば、サソリの被害のうち二五から三〇%はこの黄サソリによるもの。一九八〇年代にミナスから、トラックや汽車で運ばれて他州に拡散し始めた。
黄サソリは卵胎生で、一匹の雌から一生の間に約七十匹の幼生を産む。成虫の全長は七センチ。学名は、「小さなぎざぎざ」を意味する。サソリによる被害届けは、年間十万人に五件程度と少ない。刺されると激しい痛みと吐き気をもよおす。子どもと高齢者以外は、特に命に別状はない。血清に関する問い合わせ電話=(0-11)3726・7222。
サソリは殺虫剤ではなかなか死なない。まきなど木材を置かないこと。えさとなるゴキブリなどの昆虫を取り除くこと。日中は、透き間、引き出しの中、洋服、敷布の間に潜んでいるので注意すること。サソリの生命力は強く放射能に対する耐性はヒトの百倍で、水がなくても数カ月生き、えさがなくても十八カ月も生き延びる。
サソリの被害が著しいアパレシーダ市では、鶏(ガリーニャ・カイピーラ)によって退治し効果が出ている。