■起業に準備期間設置＝労相零細企業の負担軽減

5月10日（土）

　【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】ジャッケス・バグネル労働相は八日、四千万人といわれる労働者の未登録就業に対処するため、小・零細企業への負担軽減を示唆した。しかし十三カ月目給与など労働法が定める労働者の権利に、融通幅を設けることは否定した。　　労相は、「企業計画準備法」を設け新零細企業を立ちあげるための試験期間として、正式に登録するまでの一定期間を準備段階と認めるというもの。全ての法令を順守してなお企業が採算ベースに乗る算段がついてから、企業として発足する。これは二十九日開催予定の労働フォーラムで、詳細を発表する。
　また労相は、労働組合法の改革にも触れた。名前だけの労組で組合税を徴収し、何ら組合活動は行わず税を着服している偽装労組の取り締まりを行う必要がある。各労組の実態調査を実施して、幽霊組合の摘発を行う予定と労相は述べた。
　労相は年金改革に触れて、従来のＰＴ路線では労働者の社会保障負担金から定年退職者の負担金も支払われるはずだったと述べた。しかし労働人口の構成に変化が生じて、当初の計画が崩れ始めたという。
　為政者として国庫を預かったいま、収支の均衡を国民に提示して理解を得る必要があると労相は語った。定年退職者の社会保障負担金は当初千五十八レアル以上であったが、労組などの圧力により二千四百レアル以上に変更しつつある。さらに既得権の取り扱いで論争が、続くとみられる。