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地鶏の改良に成功=おいしい、高産卵、えさ代安

5月14日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】大量生産のブロイラー鶏ではなく地鶏(カイピーラ)の味を懐かしむ消費者が増えている。サンタ・カタリーナ州コンコルジア市の国立農事試験場(EMBRAPA)は八日、遺伝子組み換えで皮下脂肪の少ない低コレステロール地鶏の品種改良に成功したと発表した。
地鶏は年間八十個くらいの産卵しかなく、販売用の雛をとる種卵が不足する。政府は小農生産者の収入増目的で、地鶏〇五一種の飼育を奨励している。
 一メートル平方に二羽の割合で放し飼い、山野の草や昆虫、土中の虫を探して食べるのでえさ代は廉価で済む。その上、在来種の三・五倍の年間三百個くらいの産卵をする。生後八十週くらいまでが、鶏肉として食べごろとされる。
 同試験場は、九州の養鶏家二百人へ試験的に種鶏を出荷した。それらの養鶏場で種卵をとり孵化して、その雛を市販する。近く種卵の採取と孵化が、一貫生産で行われるはずだ。
 現在採卵養鶏では六千八百万羽が飼育され、年間百五十四億個の鶏卵が生産されている。この中に地鶏は、採算がとれないとして含まれなかった。鶏は換羽期に著しく産卵が低下するので、羽のない鶏が遺伝子組み換え技術で研究されている。
 羽に消耗される栄養を卵に回わし、鶏体自身が保温する構造にするという発想だ。さらにホルモン剤で人為的に肥満させない、おいしい肉質で低コレステロールの鶏肉が取れる。少量の廉価なえさで短期間に太り、しかも病気に強いブロイラー鶏も出現するらしい。