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記念式典を会費制で=広島県人会、前例のない決断=7月、移住95周年と会館竣工式=「関心のある人」のみ対象

5月14日(水)

 ブラジル広島県人会(大西博巳会長)は十日、定例理事会を開き、県民移住九十五周年を兼ねた新会館の竣工式(七月二十七日)について討議、高齢者表彰の対象となる八十歳以上を除いて一人二十レアルの会費を徴収する方向で意見がまとまった。広島県に関心を持ってくれる人に祝ってほしいとの試み。記念式典を会費制で実施するのは、ほかに例をみないとみられる。
 会館新築の総額はおよそ一億八千万円。このうち県側(県、市長会、町村会、経済界)が一億五千万円を支援、残り三千万円を県人会が負担する。
 県人会は会員からの寄付、旧会館の売却費(二百三十万レアル)、新会館の店舗賃貸や駐車場料金を出費に当てる。
 建設工事に全力投球する形になっており、厳しい台所事情も背景にはある。当初より会費制で行おうと、議論を重ねてきた。
 会員からは、「招いてくれるなら出席するけど、金を払わないとダメならいかない」といった声も挙った。
 もともと、料金は一人、三十レアルに設定していた。十日に理事会では、実費の半分くらいは出席者個人に負担してもらおうと、二十レアルに落ち着いた。
 まだ本決まりではなく、さらに検討を続ける。
 実は、県人会創立四十周年のおり、会費を徴収しなかった。約七百人の出席者のうち会員外が相当数含まれていた。
 中には、後日、入会を求めても、断る県出身者も。県人会は、会費を納入している人を納得出来ないと、懸念する。
 今年は県から、藤田雄山県知事をはじめ、大型の慶祝団が来伯する予定。参加無料で大人数を動員、県出身者の活躍ぶりを印象付けたいのはやまやまだ。
 会費制に踏み切るのはほぼ確実とみられる。
 大西会長は、「無料にすれば新会館の紹介につながるが、県人会への出入りを希望する人に集まってほしいの意見が優勢」と、会費制の導入に積極的だ。