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コラム 樹海


 日本地図を広げて沖縄島の南西の方を見ると西表島や与那国島の北に尖閣諸島の小さな字が見える。魚釣島、南小島など五つの島と三つの岩礁からなる日本固有の領土なのである。戦前には日本国民が漁業などに従事していたし土地の所有権もきちんと帳簿に記録されている。今は無人となっているけれども、この尖閣諸島を巡って台湾と中国が「我が国の領土」と主張し始めたので話が拗れ出しおかしくなっている▼事の起こりは一九七〇年である。国連などの調査で尖閣諸島周辺の海底には石油が大量に埋蔵されている可能性が指摘されるや国府(台湾)が動き始める。当時の総統であった蒋介石氏が米国の石油大手に探査権を許可したために領土問題にまで発展してしまった。九二年になると、中国もが領海法を制定し、そこには尖閣諸島が中国領と明記してある。以後、香港や台湾の船舶や漁船などが大挙して押しかけたりするので問題は複雑化し大きくなる▼「海上保安レポート」は、日本の領海を侵犯する船舶の九六%にあたる四百二十三隻が尖閣諸島周辺に集中しており大半が中国と台湾の漁船だったと報告している。海上保安庁は巡視船を常駐させるなどして警戒を強化するとしているが、どうも頼りないし力不足の印象を拭い切れない。この島には西村真悟衆議(民主党)が上陸して気勢を上げ話題となったけれども、政府はいつも及び腰であったのは国民の誰もが承知している。北方四島もながら尖閣諸島もお忘れなくとお願いしたい。(遯)

03/05/15