5月16日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】大統領府の決定により社会保障院(INSS)は十四日、社会保障負担金を滞納した企業リストを発表した。十七万六千八百社の名が上がり、総額六百五十四億に上る。滞納金額には、訴訟供託金の約六百四億レアルは含まれていない。トランスブラジル社を筆頭にヴァリグ、ヴァスピの航空三社で十億四千万レアルを滞納。また筆頭五十社のうち十七社は地方自治体。滞納リストの発表に接し、多くの企業が異議申し立てを行った。
社会保障院のベルゾイニ総裁は、過去十二年間滞納しREFIS(滞納税回収計画)にも加入していない債務企業を摘出したとしている。滞納企業を毎年発表することを義務づけた法令は一九九一年、発令されたが実行されたことは一度もなかった。総裁はこれから、四半期ごとに同リストを発表すると述べた。
クリチーバ連邦裁判所は、滞納リストの発表を年金改革に向けた広報活動の一環とみ、政府に禁止判決を言い渡した。裁判所は年金改革案の表決へ向けた政治工作とみなしている。
同総裁は、改革促進の広報活動説を否定した。リストの発表を決定したのは、大統領府であった。年金改革法案の可決を目的として国民の注意を引くために、債務企業をさらしものにしたといえる。
社会保障院側の債権総額は九百六十四億レアルに上り、二%は回収の見込みがない。二四・九%は訴訟中。中には三十年も訴訟して、未解決のものもある。社会保障院にとって債権取り立ての難点は、滞納企業の資産データ不足と執行手続きのための予算不足と総裁は述べた。
発表されたリストの中には、連立与党議員の関連企業やサジア食品のようなフルラン産業開発相が社長を務める企業が名を連ねている。エンコル建設の債務は例外だが、意図的で計画的なにおいがする。
十七万六千八百社の企業と地方自治体のうち、PT市長のカンピナス市役所は、四億二百八十万レアルで二位。目を引くのは政府系の公社でカイシャ・エコノミカが二億五千三百七十万レアルで七位、ペトロブラスが一億一千七百万レアルで二十二位にあること。
一方、社会保障院債務リストに掲載された企業は、債務企業扱いされたことを憤慨している。訴訟中の件を判決が出る前に、債務企業と見なすのは筋違いだと抗議している。
日系では清算中のコチア産組中央会が八千二百八十三万レアルで四十二位、サンスイ・プラスチックが六百九十五万レアルで五十五位に掲載されている。
与党のPTも南大河州支部が四十四万七千レアル、サンタ・カタリーナ州支部が二万八千七百レアル、合計で四十七万五千七百レアルを滞納している。PT市長が預かる市は、カンピーナスを筆頭にベロ・オリゾンテが四千九百三十万レアル、ポルト・アレグレが二千百万レアル滞納している。