パラナ日伯文化連合会の役員たちがさきごろ、加盟支部の巡回を始めた。訪問先で支部活性化懇談会を開催している。支部である文協、日本人会、その町の日系コロニアの活性化を支えようというのが趣旨だ。活動が不活発という段階から日系人の過疎化、さらに消滅の道をたどるからである。連合会の盛衰もかかっている▼かつて、パラナの日系人、日系団体が、右肩上がりに隆盛していたころ、日本人会を中心に日本語学校が経営され、婦人会、青年会が活動を盛り立てていた。時が経、人々は新しい土地を求めて移動した▼それ以前の状況は、日本語学校が無くなる、文化・スポーツ活動が無くなる、連合会活動に参加しなく(できなく)なる、したがって連合会会費を納入しなくなる――▼現在、活動が停滞はしてはいるが、団体が存続しているところの実状は、青年、壮年層が日本就労に行っている、青年層が(国内の)都会に勉学のために出ている、である。この二点に歯止めをかけるのは、連合会を含めて、公益・公共団体としては困難であろう▼それでも、連合会としては、手をこまねいていられない。日系人がいるなら、団体があるなら、及ばないながらも、手を伸ばそうとしている。それゆえの巡回懇談会開催だ。ある支部では、生活の向上推進のため連合会活動は必要だ、と逆に激励された。心強かったであろう▼パラナの例を取り上げたが、サンパウロ州とて、事情はそんなに大きくは異なるまい。(神)
03/05/16