5月20日(火)
「ビバ!カラムルー!」
千二百人の歓喜の声がバンデイランテス宮に響き渡った。五十年前の一九五三年、細江静男医師によって創立された日系ボーイスカウト、カラムルー隊の五十周年記念式典が十七日午後三時から、モルンビー区のバンデイランテス宮で開催された。多くのスカウト関係者が会場を訪れ、多数の関係者が同隊の喜びの日を祝った。野村アウレリオ、花城ゼツリオ元市議会議員、破魔悟郎サンパウロ州住宅公社元総裁も出席した。関係者のあいさつに続いて行われた、スカウトによる踊りや同隊の歴史を紹介した映像が式典に彩りを添えた。ジュリオ・クルス隊長は「五十年の歴史を振り返りつつ、これからもカラムルー隊は前進してゆく」と話した。
式典で司会を務めた花城アキラ・元隊長は、千人を超える式典の参加者に「カラムルー隊が五十年の歴史を刻んだことは大きな喜び」とあいさつすると共に、渡辺昭ボーイスカウト日本連盟総長からの祝電が届いたことを報告した。
ジェラウド・アウキミン州知事の代理人として出席したルイス・バルボッザ氏、パウロ・サラムニ・ブラジルボーイスカウト連盟長、川上トシオサンパウロ州スカウト連合会会長、橋口裕子副領事たちがそれぞれ祝いの言葉を述べた。
ジュリオ・クルス隊長は「創立者、故細江静男医師や隊の発展に尽くした故小副川ルイス大隊長たち先駆者に感謝すると共に、次は百周年に向けて我々は活動を続けていく」と宣言した。
スカウトによる踊りや楽器演奏、父母会のコーラスなどに続き、花城アナクレット、上野ロベルト、天野トシオ各氏ら第一期スカウトたちへのメダル贈呈式が行われた。
今回の式典にマラニョン州から駆けつけた辻テツオ第一期スカウトには会場から、大きな拍手が送られた。なお、隊の発展に貢献した功労者にもメダルが送られた。 式典後には「カラムルー隊五十周年記念誌」の出版記念式も行われた。
会場に駆けつけた大谷剛二さん(レストラン店長)は「カラムルー隊でキャンプや色々な活動をしたのはいい思い出だし、今の仕事にとても役立っていると思う」と、かつてのスカウト時代を懐かしんでいた。
カラムルー隊発足時に指導者だった花城ジョルジさんは、「こんな式典を州の官邸で開くことができるなんて・・・あの頃は夢にも思わなかったねえ」と感慨深げに話した。
◇カラムルー隊◇
一九五三年、同仁会の細江静男医師を中心に創立された日系ボーイスカウト隊。発足当時は二十数人でスタートしたが、現在では三百五十人のメンバーを抱えるブラジル最大の隊。アクリマソンに本部を構え、野外を中心に活発な活動を行っている。四年に一度開催されるボーイスカウトの世界大会「ワールド・ジャンボリー」にも数多くのスカウトを送り出している。