ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | サンパウロ市バス労組幹部11人を逮捕=組織犯罪の容疑=マルタ市長 「満足」と表明

サンパウロ市バス労組幹部11人を逮捕=組織犯罪の容疑=マルタ市長 「満足」と表明

5月21日(水)

 【アゴーラ紙二十日】サンパウロ市バス運転手・車掌労働組合のエジヴァウド・サンチアーゴ・ダ・シウヴァ組合長と幹部十人が十九日、組織犯罪、裁判所命令違反、暴力的なストライキの計画などの容疑で仮逮捕された。
 労組幹部らは、連邦警察、検察庁、サンパウロ州検察局の捜査班に次の容疑で逮捕された。
 [組織犯罪]検察庁や連警は、幹部らが脱税、詐欺、反対派の労組組員ら(少なくとも三人)の殺人、汚職などを集団で行ったと言明している。
 [裁判所命令違反]スト中に、最低限のバス本数の運行を守らなかった。また刑事が捜査に必要とした書類を渡さなかった。
 [暴力行為を交えたスト]スト中、多くのバスが破壊された。四月七、八日に行われたストでは、百五十台以上も破壊されている。同労組は二〇〇一年一月から、百七十八回もストを起こした。
 [労働者の権利の破棄]連警は、労組幹部らが労働者の権利を主張するためではなく、バス会社経営者らからわいろ百五十万レアルを受け取るためにストを起こしたとしている。
 労組結成以来、初めての出来事は十九日未明、実行に移された。イサオ・ホソギ管財理事(五〇)、フランシスコ・X・シウヴァ・F上級管理理事(通称シキーニョ、二七)ら九人は自宅で逮捕。サンチアーゴ組合長は手錠をかけられ、同氏の警備員二人も逮捕された。同日午後にはさらに二人の理事も逮捕された。
 仮逮捕期間は六日間で、場合によっては五日間延長できる。労組理事六十三人のうち、十七人に仮逮捕令状が出ている。残りの六人は四日以内に出頭しなければ、三十日間の仮逮捕期間に延長される。
 サンチアーゴ組合長は同日、「自分は無実だ。政治的なたくらみで仮逮捕された」と主張した。名は伏せたがサンパウロ市長や市の職員、市会議員などが同組合長を告発したと言明。「地方労働裁はストを合法だとみなしたはず。無実の人間が逮捕されるとは思ってもみなかった」と驚いている。
 一方マルタ・スプリシー市長は、逮捕を「満足している」と明言。ジョゼ・C・ブラット検事によると、バス会社経営者やサンパウロ市職員、市会議員らがこれから先の捜査対象になるという。