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遺伝子組み換え綿解禁検討=取り残されるブラジル

5月21日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】昨年は米国からの遺伝子組み換え大豆とトウモロコシの供給を強く拒否したインド政府は四日、同国五万五千の綿作生産者に遺伝子組み換え(GMO)綿の栽培を許可した。昨年は米国からの遺伝子組み換え大豆とトウモロコシの供給を同国は強く拒否している。国際市場でインド綿の競争国ブラジルは、政府内見解がまとまらずろうばいしている。
 同GMO種子は米系モンサント社で開発され、農薬を散布しなくても害虫の被害を受けないとされる。生産は在来種綿よりも三〇%高く、農薬は六五%節約される。
 インドは昨年害虫の襲来で、十億国民の衣服用綿が不足し輸入した経緯がある。また農薬の過度使用は土壌と水質汚染と生産者の健康にも害が多いとして問題になっていた。
 しかし、GMOの種子は在来種より四倍高く、繊維が短いという難点がある。インド政府はモンサント社の種子で回避できない害虫がまだいるため、同社以外のGMO種子をも探している。
 一方ブラジルではGMOの栽培は法律で禁じられているが、違法栽培は日増しに増えている。GMO栽培は、政府内でも農務省と環境省とで意見が対立している。GMO製品の包装表示を規定しただけで、まだ栽培の可否は何も決まっていない。
 しかし、主要綿生産国でブラジルの競争国でもある米国や中国、オーストラリア、アフリカ諸国、フィリッピンではGMO綿が栽培され品質も好評を得ているので、ブラジルも国際市場で遅れてはならじと同綿の解禁を検討し始めた。