5月22日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十一日】農地改革で政府の対応を不満とした不法占拠運動(MST)のメンバーの一部二百五十人が二十日午前十一時、アラゴアス州のマセイオ市でノルデステ銀行(BNB)のセントロ支店に侵入した。軍警の命令に従い午後一時、全員退散した。
またマット・グロッソ州ペードラ・ブランカ市では別のMSTグループが市役所に侵入、また同州サウト・ド・セウ市でも市役所に侵入して座り込んでいる。グループの代表は、忍耐も信頼関係も全て限度があるとして政府との協力関係に終止符を打ったと発表した。
一方ペルナンブーコ州トラクニャエン郡のプラード農場では地主のガードマンが、施設に放火したMSTに発砲して銃撃戦となった。MSTはバイクに乗った農場のガードマン二人がサトウキビ畑の中に逃げ込んだ所を、軽トラックで追跡して捕らえ人質とした。バイクはMSTによって、直ちに焼き捨てられた。
MSTは非武装であると言明しているが、軍警や当局係官が現地到着前に草むらの中へ武器を隠したと、農場関係者は告発した。MSTの中には初めて合流した人も多数おり、あまり騒然としているのに驚いているようだ。
MST代表のロドリゲス氏は、パライバ州でキャンプ生活をしている十万人のMSTはすでに忍耐の限界にあり、暴徒化する可能性があると報告した。政府はMSTに新政権の立ち上げまで待つように要請し、約束の期限は過ぎ去ったが約束は守られなかったと、現政権を訴えた。MSTは六月から全ての大農場(ラチフンジオ)を、占拠の対象にすると発表した。