5月23日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十三日】環境省は二十二日、ブラジルの絶滅危機動物を掲載した「レッドリスト」を発表した。リストによると、三百九十五種が絶滅に瀕しており、うち八種は完全に絶滅したことが確認された。
このリストは、国立自然環境保護院(Ibama)が環境専門家二百人を動員して作成、十一カ月を費やした。前回の同リストは十三年前(一九八九年)のもので、当時の絶滅危機種は二百十九種だった。
国際自然保護連合(IUCN)の基準を採用した同リストは、絶滅種(EX)、野生絶滅種(EW)、絶滅寸前種(CR)、絶滅危惧種(EN)、危急種(VU)、低リスク(LR)、情報不足種(DD)の七カテゴリーに分けられている。
レッドリストは次の通り。
▼哺乳類=六十九種(CR十八種)。▼鳥類=百六十種(EX二種、CR二十四種、EW二種)。▼は虫類=二十種(CR六種)。▼両生類=十六種(EX一種、CR九種)。▼昆虫類を含む陸生の無脊椎動物=百三十種(昆虫はEX三種、CR二十四種。無脊椎動物はEX二種、CR三種)。
魚類や水生の無脊椎動物などのリストは、三カ月後に発表される予定。レッドリストに掲載されると、その動物の狩や漁業などは犯罪となる。そのため、政府や環境専門家らは、漁業への影響を考慮しながら残りのリストを作成している。ちなみにこれらの動物をレッドリストに入れると、絶滅危機に瀕する動物が六百二十種以上に上るという。
環境専門家らは、前回と今回のリストを簡単に比べて「以前より環境破壊が進んだ」と安直な答えは出せないと注意している。この十三年間に、国内で多くの動物が発見され、科学的に生物多様性が明らかになってきた。これらの莫大な情報が今になって一資料にすることができたと言える。専門家たちは、恐らく前回のリスト作成時には、すでに今回の数ほどの動物たちが絶滅危機に瀕していたと推測している。
リストの発表のほか、マリーナ・シウヴァ環境相は、絶滅危機動物を保護・回復するプログラムに六百万レアルを回すと公表した。ルーラ大統領は、国家生物多様性委員会の発足を発令。同委員会は、複数の省やNGO団体、企業によって構成され、国家生物多様性政策を立てる役割を務める。