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福岡県人会=会長派主導総会は流会=3時間話合うも接点なし

5月24日(土)

 今月はじめに五人の副会長を含む二十三人の理事が現執行部への不信任を表明し辞職したことを受け、福岡県人会(渡部一誠会長)は二十二日午後、サンパウロ市アクリマソン区の同県人会館で臨時総会を開いた。この席で会長から補足人事が発表されたが、結局、会員相互の意見が分かれたまま信任には至らず閉会した。
 終了後、渡部会長は淡々とした表情で、「私も忙しい身。早く(県人会の機能を)復旧させ、事業を継続させたいと願っている」。理事の半数近くが辞職するという異例の事態を招いたことに関しては、「それぞれに個人的な理由があったのでしょう」と述べるにとどまった。
 三時間を超える話し合いとなったが県人会内の意見は集約されなかった。会長に対し、農業実習生事業の受け入れ中止に端を発した〃お家騒動〃について説明責任を強く求める顧問・相談役側と、「それはきょうの議題ではない」とする渡部会長に接点はなかった。
 集まった会員の中からは「辞めた理事を元に戻してはどうか」「争いはどちらが勝ってもコロニアの笑いものになるだけ。ここは手を取り合うべき」などと協調路線を主張する声も上がったが、「円満などはありえない」とする意見は最後まで根強く、曲折は収まらなかった。
 また、「この手の会議で議長が不在なのはいかがなものか」「会議の進行がポルトガル語のみとは一世のお年寄りを無視している」といった不満も噴出。八十人近くが出席した熱気に満ちた総会だったが、「きょうは終わり」。会長のつぶやくような一言であっさり幕を閉じた。
 今後は改革派が主導し二十四日に開かれる臨時総会の成り行きが注目される。この総会は六十人以上の会員の署名を受けて開催されるもので、既に百人以上の同意を得ている。当日は渡部会長の辞職を求めるほか、改革派が選出する新体制人事の信任を問う見通しだ。
 ただ、改革派幹部によれば、総会後二十四時間以内に会長自らが法廷の場に持ち込めば、決議を覆すことも可能いう。この権限を行使するかについて、渡部会長は「まだ二十四日の総会に出席するかも決めていない。その後のことは残っている理事らと相談して」とし明言を避けた。