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将棋、楽しんで普及=王将戦、入門書も配布=吉田国夫さんが優勝

5月27日(火)

 ブラジル将棋連盟(中田定和会長)主催の「第三十一回全伯将棋王将戦」が二十五日午前九時から、サンパウロ市リベルダーデ区の将棋会館で開かれた。ニッケイ新聞社の後援。サンパウロ市をはじめ、ベレーン(PA)、クリチーバ市(PR)などから将棋愛好者九十人が出場、対局を楽しんだ。五段の高島ロベルトさん(ベレーン市、四九)が三段、四段、五段以上(王将戦)の優勝者を五日間、ベレーン市に無料招待した。
 会員の平均年齢はおよそ、六十五歳。高齢化のため、年々、将棋人口が減少、関係者の懸念材料となっている。
 同連盟はこのほど、ポルトガル語による初心者向けの入門書を千冊発行。若手の育成に乗り出す。
 中田会長は主催者あいさつで、「将来への不安がある」と、憂慮を示しながらも、「各支部にたくさん持ち帰ってもらい指導に活かしてほしい」と、力を込めた。
 入門書の配布と合わせて将棋講座もスタートさせる予定だ。
 そんな中、王将戦には、日系三世の長尾大樹君(ソロカバ市、一〇)、非日系人のジョマール・エゴロフさん(三八、マリンガ市)らが参加。将棋の普及に明るい話題を提供した。
 リーグ選による予選と決勝トーナメントで争われた。五段以上(王将戦)では、人だかりの出来る対局もあった。
 親睦戦も組まれ、レベルを超えた交流も行われた。
 山本和男さん(七〇)が予選での対局中、気分が悪くなって倒れた。バンデイランテス病院に運ばれたものの、そのまま息を引き取った。 
 各部門の優勝者は次の通り。王将戦=吉田国夫、四段=中尾光男、三段=清野真司、二段=柴山海蔵、初・段外=高島将元、親睦戦A=高島ロベルト、親睦戦B=猪木次男。敬称略。