5月28日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十七日】ニウマーリオ・ミランダ国家人権擁護局長官が二十六日、サンパウロ州で行われた「ブラジルでの人権擁護に関する国家報告書(RNDH)第二版」発表式典の場で、警官によって構成されたとされる処刑部隊が十四州で暗躍している可能性があることを明らかにした。
ミランダ長官は、「我々の予想より状況は悪化している」と深刻な発言。連邦警察や国家情報局(Abin)に、警官や権力者、警備会社などが処刑部隊に関わっているかどうか捜査を依頼すると同長官は話している。
処刑部隊が暗躍しているとされる十四州には、ペルナンブーコ州、パライーバ州、ミナス・ジェライス州、ゴイアス州、アマゾーナス州、エスピリト・サント州、リオデジャネイロ州、サンパウロ州(サンパウロ州)などが含まれる。
サンパウロ州ではすでに、警官が関わっていると思われる殺人事件の捜査が進められている。処刑部隊は地方リベイロン・プレット市で百人以上、大サンパウロ市圏グアルーリョス市で約五十人も殺害したという。
この報告書は、NGO団体「テオトーニオ・ヴィレーラ人権擁護委員会」とサンパウロ大学犯罪研究センター(USP/NEV)によって作成された。九月、国連に提出される。
三百十八ページある同書には、犯罪対策分野での進歩や告発された事件、一九九九年から二〇〇二年の間に起きた国内重要事件などが掲載されている。
NEVの研究家の一人でパウロ・S・ピニェイロ元人権擁護局長官は、ブラジルでいくつかの人権が法律化されたが、まだ多くの改善点があるという。同氏は、「ブラジルの警察は汚職にまみれている」と明言している。
サンパウロ州の章では、軍警の諜報部隊とされる凶悪犯罪防止グループ(Gradi)の行き過ぎる暴力行為に触れている。昨年七月、サンパウロ州保安局直轄の軍警準部隊が関係する事件が告発された。当時、警官に選ばれた受刑者が、警察側の秘密エージェントとして犯罪組織に送り込まれていた。