5月31日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】第一・四半期の国内総生産(GDP)〇・一%減、大サンパウロ市圏失業率二〇・六%、前カルドーゾ政権との比較など、経済面での凶報が続く中、ルーラ大統領は二十九日、金利引き下げをほのめかし、現状を「壮大な経済成長の前にある」と声明した。
「ルーラ政権発足から五カ月たち、インフレがコントロールされてきており、下降傾向にある。そうなれば、金利を下げることができる」と、大統領は自動車メーカー「フォード」の大サンパウロ市圏サンベルナルド・ド・カンポ市工場での演説中に明言した。
だがインフレ下降傾向でも、余り良くない見通しが出ている。ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGV)が毎月調査し、二十九日に発表された総合市場物価指数(IGP-M)は五月、〇・二六%のデフレを示しており、経済が衰えを見せていることが分かる。
「我々は今、オーケストラの調音をしているところだ。あともう少しで壮大な経済成長交響楽が始まる」とルーラ大統領は言明した。
フォード社のリチャード・キャニー南米支社社長とアントニオ・マシエル・N・ブラジル支社社長は、税率を下げ、輸出生産を奨励するよう大統領に請求した。「工業生産を再び活発にさせることができるはず」とマシエル社長は述べている。
一方大統領は、「パロッシ財務相やメイレーレス中銀総裁が金利を下げたくないわけではない。彼らも国民同様に金利を引き下げる日を心待ちにしている」と強調。「だがそれを実行に移すには頑丈な基盤が必要だ。せっかく金利を引き下げても、翌月また引き上げるようでは政策は失敗する。失われた信用は二度と取り戻せない」と、慎重な姿勢を崩さなかった。
三千人に及ぶ工場従業員の前で、ルーラ大統領は〃あと少しの辛抱〃を訴えた。
「この国の経済政策を変え、就職率を上げ、所得を配分するために、わたしが大統領に選ばれた。だが政治は植樹のようなもの。フェイジョンを植えれば、腹が減っていても九十日間待たなくてはならない。大豆なら百、百十日はかかる。強風が吹いても、干ばつに遭っても枯れてしまわないように、丈夫で立派な木になるよう肥料や水を絶やしてはいけない」と比ゆをもって説明した。