5月31日(土)
日本のアサヒフーズ(本社・京都)がアマゾン地方労働団体(GTA)に訴えられている。同州の原産果物「クプアス」を北米、欧州、日本で商標登録したところ、「クプアスは私たちのものだ」とGTAは怒りを顕にしている。エスタード・デ・サンパウロ紙が報じている。
ブラジルの法律が動植物名の商業使用を禁じているため、様ざまな国際企業がブラジル有数の多様な動植物の特許を獲得。アマゾニア州からは五十品目以上が登録され、最近のものではクプアスがアサヒフーズにより北アメリカ、ヨーロッパ、日本で商標登録された。
これに対し、ゴム液採取業や漁業、農業、環境保護家など五百十三団体で組織されるGTAは今年三月二十日、日本法のもと、アサヒフーズの商標登録は生物海賊行為だとし、商標の無効を求めて提訴。GTA事務局のアデニウザ・メスキタ氏は、クプアス商標登録は小規模輸出業者に打撃を与えたと批判している。また、四月にアマゾナス州プレジデンテ・フィゲイレド市で開かれた第十三回クプアス祭りでは、環境保護団体グリーンピースの後押しを受け、六千人以上の署名を集める大規模な抗議運動に広がった。
「運動の目的は、原産物の種子や製法など、ブラジルの伝統的、特産的知識を保護する法律の確立。ブラジルが世界貿易機関と国際連合の同意のもと、商標登録に対し強い姿勢を見せることを望んでいる」とGTA事務局のアジウソン・ヴィレイラ氏は語っている。
現在、トレンチ弁護士事務所のロッシ、ワタナベの両弁護士が日本の裁判所でアサヒフーズに対し非公開で行政訴訟を続行中。判決は九から十八ヵ月のうちに下る予定。