ホーム | 日系社会ニュース | 浜くん15歳、将棋修業=日本将棋連盟関西本部研修会に入る=ミナスの高校休学=言葉の不自由かかえて

浜くん15歳、将棋修業=日本将棋連盟関西本部研修会に入る=ミナスの高校休学=言葉の不自由かかえて

6月3日(火)

 ブラジル・アマ四段の浜公志朗さん(三世、一五)が四月に、日本将棋連盟関西本部研修会(大阪府)に入った。入会試験に合格したのは、ブラジル出身者で初めてだという。公四朗さんは、神戸市(兵庫県)のおばの家に下宿。毎月二回の例会のほか、将棋センターに通うなどして武者修行に励んでいる。
 昨年十月、東京で世界将棋ファーラムが開かれ、公四朗さんはブラジル代表の一人として参加。東京の土を初めて踏んだ。
 高校進学を控えていた時期で、進路に悩んでおり、父、吉朗さん(鹿児島県出身、四七)が視野を広げるため、日本への留学を勧めた。
 国際フォーラムの期間中に関西方面にも足を運び、研修会への入会準備をした。二月に地元、ミナスジェライス州内の高校に進学後、休学して、日本に向かった。
 祖国では将棋大会の入賞常連組だった公四朗さんだが、研修会でずいぶん苦戦している模様だ。
 「ブラジルと日本のレベルは全然ちがう。十二、十三才の年下にぼろぼろに負かされている」などと、電話で報告している。
 日本語は、よく話さない。そのぶん、ハンディーも大きい。下宿先のおばの家で、もまれながら、言葉もマスターしているようだ。
 いとこの大山美樹さんは駅伝の選手で、横浜国際駅伝の日本代表選手として出場した。
 留学期間は一年の予定。父、吉朗さんは、「好きだからやらせているだけ」と、控えめに話すが、息子にかける期待は大きい。
 【研修会】将棋を通じて健全な少年少女の育成を目指すための機関。日本将棋連盟が設けている。対象は二十歳以下でアマチュア有段者。成績優秀者には、プロの養成を行っている奨励会への仮入会などの特典がある。