6月4日(水)
援協傘下の保養センター、桜ホーム(カンポス・ド・ジョルドン市、岸眞司朗ホーム長)が敷地内への不法侵入に頭を痛めている。樹木や草花を盗んだり、ごみを投棄するなどの被害が出ており、同ホームは周囲を半永久的な塀(へい)で囲いたい考え。だが、資金不足のため、着工は先延ばしにされている。
桜ホームの敷地面積は六アルケール(十四万四千平方メートル)。入居棟と桜園との間に、市道が通っている。
坂を上っていくと、住宅街に通じる。市の中心街に向かうためには、敷地内を横切ったほうが早道になる。そのため、敷地内に入ってくるようだ。
侵入だけならまだ、注意だけで済ませたいところ。しかし、園内にある桜の樹木を切ったり、野菜を引っこ抜いたりするなど、盗みが目的の侵入者も出始めた。施設として、放任できない問題に発展した。
辻雄三経営委員長は、「たびたび、入ってきては、悪さをするんですよ」と、堪忍袋の緒が切れそうな勢いで語る。
隣接地の住人は有刺鉄線を切って、木製の出入り門まで建てている。スプレーや廃材などのごみを、桜園に捨てにくる。
二十九日、門を撮影していると、住居内から年配の女性が姿を見せた。
しらじらしく、「そのごみ、汚い」と、語りかけてきた。岸ホーム長はまったく意に介さず、あいさつすら交わさなかった。
桜ホームは八月中旬から下旬にかけて、恒例の桜祭りを開く。園内の整備を進めている。隣接地は、不法侵入を防ぐため、ほとんど手入れをせず、放置の状態だ。
施設の周囲は将来、へいで囲むつもり。予算を見積もったところ、六万レアルに達した。差し当たって市道を舗装するため、一万レアルを支出しなければならず、経済的な余裕はない。
市道は土道のため、降雨で地面が濡れると、自動車が住宅街に上れなくなることもある。そのため、桜ホームは、雨天のときに、桜園を開放して、〃臨時の抜け道〃として使用させ便宜を図ることも。
それだけに、不法侵入に対して肩を落としている。