『コラソンエス・スージョス』著者モライス氏は、独・伊国移民より日本移民は、文化・人種的に孤立していたため、独裁政権の民族圧迫を受けて、日系にのみ勝負抗争は生じたと解釈する。
「イタリア人にとってサンパウロ市は〃自分の町〃であり、今でも市民は〃オー、メウ〃と無意識に伊語訛りのポ語をしゃべっている。ドイツ系も白人だから、日本人ほど目立たなかった」
責任を独裁政権に転嫁できるのであれば、二、三世にとって同抗争は、ブラジル近代史を彩る数少ない日系独自の苦難劇として、誇れるものにさえなるのかも。
いつの日にか映画化され、国際的な脚光を浴びる日が来る可能性さえも、彼は匂わす。それを聞いて、思った。その時初めて、在日日本人も、移民史を見直すのかもしれない、と。 (深)
03/06/04