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コラム 樹海


 都会も物騒だが、地方とくに農村地帯の治安も同様になってきた。今年のカルナバル前後だったか。近郊スザノ在の歌人が近況を伝えてくれたことがあった。電話線が盗まれ、ひどいときは電話を使えるのが週に二日程度。電話局が来て架線すると夜にはまた切り盗られてしまう。どの家もあきらめて携帯電話を購入したそうだ。「家までは侵入して来ないのでまだ増しだネ」と慰めあっていると、かなり滅入った〃便り〃だった▼その後も薬局に強盗が押し入ったり、盗難被害は絶えない。このうえは番犬に頼るしかないと十匹近い犬を飼う家家も。犬が怖い人は外出を控え、近所付き合いも〃ケータイ〃で済ますほどになってしまった…。町や村の有力者は防犯対策で頭をいためっ放しだ。自衛の策をいくら編み出しても神出鬼没の狼藉者を取り押さえる術がない。犯罪はエスカレートしてきて傷害、殺人にまで及ぶ。残忍この上もない▼モジ・ダス・クルーゼス、スザノでの相次ぐ農家強盗事件を重視した軍警が対策(二十九日付本紙7面)を打ち出した。オートバイなど機動性を駆使して警邏を徹底させるという。スザノの場合は、市長、市議、軍警、農業者が一堂に会し、防犯対策を立ち上げた。市を挙げての取り組みである▼「警察は何もしてくれない」の思いが市民の頭から払拭されることを期待する。警察は実績をもって応えるはずだ。治安維持の要諦は相互の信頼関係と協力にあると思う。
(田)

03/06/04