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MST、農場主らと衝突=パライーバ州=死者1人、負傷者15人=サンパウロ州、ミナス州でも活動活発化

6月6日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】農地占拠運動(MST)のメンバー二百人が四日午前五時半ごろ、パライーバ州ジョアン・ペッソーア市から八十六キロ離れたジャカラウ市のサン・ジョゼ農場に食料を求めて侵入した。
 同農場では農場主らと同メンバーが衝突し、メンバーの男性一人(三八)が顔面と腹部を撃たれて死亡、十五人が負傷した。二十五歳の女性と五十二歳の男性はジョアン・ペッソーア市の救急病院に運ばれたが、重体。十四歳の少女は腹部を撃たれたが命に別状はなし。他の負傷者は軽傷ですんだ。パライバ市サトウキビ栽培協会のゴエス弁護士は、農場主と農場労働者三人も同メンバーに撃たれて負傷したと述べた。ジャカラウ市のマルシオ警部は同弁護士の情報を確認していない。
 農地改革省のカッセル事務局長は、政府は事件の調査に乗り出しており、責任者を罰すると強調した。「農業問題聴聞担当者が同地で農場側とMSTとの対話と交渉の場を設けようとしている」。
 MSTのリーダーの一人は、二百人のメンバーはフェイジョンとマカシェイラを求めて農場に侵入したと話した。また、「怒り狂った農場主自らが発砲」し、武装していた三人の農場労働者も「殺す気で発砲した」という。
 ゴエス弁護士は「MSTメンバーが発砲しながら侵入してきた。農場主と農場労働者三人は驚いて走って逃げた」と農場主らの発砲を否定した。四日夜までに、誰も逮捕されていない。
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 サンパウロ州プレジデンテ・エスタッシオ市では、MSTの分派からなる土地要求社会運動連合(Uniterra)が四日午後、新たに五十四のキャンプを張り始めた。また、ミナス・ジェライス州ヴァレ・ド・リオ・ドーセ地域イタンバクリ市のマルガリーダ農場には、五月末以降、MST約百四十家族が侵入した。軍警によると、同農場の占拠は穏やかなもので、農場主も所有権の取り戻しを申請していないという。